最強レスラーは誰だ!?
「俺が最強と信じる二人、前田とジャンボが対戦したらどっちが強いか?」
「三沢のエルボーが最強」
「ハンセンのウェスタンラリアットが一番強いって」
「いや、藤原組長のサブミッションでしょう」
などの「最強レスラーは誰か?」という楽しい議論。
プロレスファンなら1回はしたことがある会話だと思います。
その会話を本にしてしまったのか!?と思い手に取った一冊。
それが「最強レスラー数珠つなぎ」( 著:尾崎ムギ子)です。
かつて、プロレスを見たこともなかったプロレスライターの尾崎ムギ子さん。
プロレストークイベントに参加したことをきっかけにプロレスに興味を持ち、
ネット記事を書いたところ、大反響に。
その記事は女子SPA!の
「いい男に抱かれたい」願望が全開に!? “プロレス女子”急増のワケ
です。
予習として記事を読んでから、この本を読まれると、より味わい深いです。
良い反響もあれば、だんだんと悪い反響、いわゆる「炎上」が発生。
その炎上のきっかけになったツイートは、佐藤光留選手。
「書いた人間を絶対に許さない」とまで言った佐藤光留選手に謝罪するところから対談を始めるという、斬新すぎるスタイル。
そして、対談のあと、「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングさながらに「あなたが最強だと思うプロレスラーを指名してください」という形で、次の対談相手を紹介してもらうという非常にギャンブル的なスリルあふれるシステム。
このシステムは次々と団体の垣根を越えていきます。
結果として、総勢19名のレスラーの「最強論」が大いに語られ、最後の対談では、最初の佐藤光留選手に戻って炎上を振り返るというとんでもない構成です。
そして、途中で織り交ぜられる著者の尾崎ムギ子さんご自身の話が、ストロングスタイル。
一番「最強」なのは、この人自身の生き様なんじゃないかと。。。
この本で語られる「強さ」。
「強さとは、なんですか?」という質問に対する、レスラー全員の答えがすべて違うという発見。
例えば、
垣原賢人選手は「置かれている状況に対応する力だと思います」と語ります。
藤原喜明選手は「ルールに基づいて、勝ったもんが強いんだ」と語ります。
それぞれ強さの定義は違いますが、その語る内容から、その人自身がまぎれもなく「強い」レスラーであることが文章から伝わってきます。
人間誰しも、生きるのは苦しいです。
そんな時、自分なりの「強さ」を見つけることは力になります。
この本は、「強さ」についてのレスラーたちの想いがこもった一言から、自分なりの「最強」の言葉を見つけることができる一冊です。
最後に、鈴木みのる選手の「強さ」についての一言をお届けして、 「最強レスラー数珠つなぎ」の感想の締めくくりとさせていただきます。
「生きるということ」